アル・パチーノ主演の『カリートの道』。マフィアの世界から足を洗いたい男カリート。愛する女性と新しい人生を夢見ますが、それは叶わない儚い夢物語で終わってしまいました。懸命に生まれ変わろうとした男の切ない人生が描かれています。
『カリートの道』作品情報
タイトル | カリートの道(Carlito’s Way) |
監督 | ブライアン・デ・パルマ |
公開 | 1994年4月23日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間24分 |
Rotten Tomatoes
『カリートの道』あらすじ
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1975年、ニューヨーク。
麻薬ビジネスで名を馳せた暗黒街の大物カリートが刑務所から出所。
彼は犯罪から足を洗うことを決意し、クラブの経営者に収まる。
かつての恋人ゲイルとよりを戻すこともできたが、捜査当局からは執拗にマークされ、さらにブロンクスの新興マフィア、ベニーとのいざこざも絶えない。
そんな折、カリートはマフィアに脅迫されていた弁護士デイブを助けるが、それがきっかけで命を狙われるハメに……。
(出典:https://eiga.com/movie/8289/)
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結末から始まる物語

出典:IMDb
物語の始まりはアル・パチーノ扮するカリートが、何者かに撃たれて倒れるところから始まります。
意識が朦朧とする中で病院に運ばれるカリート。
彼がその朦朧とした意識の中で自分の人生を振り返ります。
5年間服役して外に出てきたカリート。
そこから今撃たれるまでの人生を振り返るのです。
物語の始まりは結末なのです。
外の世界に出てきたカリートがこの先どうなるか分かっているのに、それでも物語に引き込まれてしまうのがブライアン・デ・パルマ監督の作品なのです。
本当にマフィアの世界から足を洗おうとしているカリート。
最初は口だけのように見えますが、だんだん彼が本気だということが分かってきます。
それだけに結末を知っているので、カリートの人生を見るのが辛くなってしまいます。
暴力的で怖そうなカリートですが彼の本心がわかるだけに、彼の必死さが切なく感じてしまうのです。
切ない男の一生

出典:IMDb
必死に外の世界で生まれ変わろうとするカリート。
周りのみんなは笑いながら彼の話を聞いていますが、カリーとはいつも真剣に語っています。
夢を叶えるためにお金を稼ごうとするカリート。
稼いだお金を使わずに資金としてためているカリート。
全ては自分の夢のため。
さらに愛した女性ゲイルのためにも生まれ変わろうとします。
ただ周りは無情にもカリートが頑張れば頑張るほど、状況は悪くなってしまいます。
今まで悪に道にいた人が生まれ変わるのは大変です。
綺麗なことだけではすみません。
それでもなるべく普通の道を歩こうとするカリート。
自分の気持ちと周りの状況のギャップに苦しむカリートの姿が切なく映ります。
周りの人間も誰が味方なのか敵なのかわからない状況です。
信頼していた弁護士や弟分にも裏切られてしまうカリート。
最後まで夢を諦めずにゲイルと子供との人生を描いたカリート。
彼が本気になればなるほど、カリートが切なく苦しく見えてしまいます。
彼は撃たれてしまいますが、ラストで踊るゲイルとの楽しい生活を一瞬感じたはずです。
きっと生まれてくるカリートの子供は、父親の夢を引き継いで楽しく真っ当な道を生きていくことでしょう。
まとめ
ブライアン・デ・パルマ監督アル・パチーノ主演の『カリートの道』。
マフィアの世界で生きる男の切ない物語が描かれていました。
マフィアの派手の戦いよりも、一人の男の苦しい心情が表現された物語は見ていても切なく苦しくなってしまいます。
儚い夢を夢見るカリート。
いつしか彼の人生を応援していました。