他人に利用され続けて惨めな人生を送る顧客管理を担当のウェスリー・ギブソン。自分の人生を探し続けていますが、そんなことさえもどうでもよくなってしまう生活を送っていました。そんな彼はある日、暗殺組織の一員に。素晴らしい才能を持った彼は暗殺組織で働くことで自分の人生の意味を見つけることができるのでしょうか?
『ウォンテッド』作品情報
タイトル | ウォンテッド(Wanted) |
監督 | ティムール・ベクマンベトフ |
公開 | 2008年9月20日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間50分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
フラタニティ
社会的機能を果たしていた友愛の組織を意味するフラタニティ 。
そんな名前を組織の名前にした暗殺組織「フラタニティ 」。
それは1000年前機織職人達が作った秘密の暗殺組織。
彼らは乱れた世の中に秩序を取り戻すために密かに刑を執行する組織でした。
織物に隠された秘密の言葉を発見した機織職人。
それが「フラタニティ 」の始まりでした。
そこにはターゲットとなる名前が。
機織機から出てくる指令として、彼らは世界のバランスを保つためにターゲットを暗殺するのです。
そしてそれは「運命」なのだと考えられていたのです。
そんな組織の一員となったウェスリー。
彼は自分のことをパニック障害だと思っていましたが、実はそれはアドレナリンの大量放出により尋常でない速度に体が反応できる能力だったのです。
その能力を開花させついにフラタニティの一員になったウェスリーは、これが本来の自分の姿なんだと思います。
やっと自分を見つけたと思ったウェスリーは「フラタニティ 」のメンバーとして活動を始めますが、それは本当の自分ではなかったのです。
本当の自分
フラタニティの一員となる前から、自分の人生に意味を見つけられなかったウェスリー。
Googleで自分の名前を検索するほど、自分探しを続けていました。
なぜウェスリーは自分の人生に意味を見つけられなかったのか?
なぜウェスリーは自分の人生を惨めだと思っていたのか?
それは常に人に利用されていた人生を送っていたからです。
会社では嫌な上司のストレス発散のターゲットにされ、恋人には都合のいい男として利用され、同僚には恋人やお金をくれるカモだと思われていました。
ウェスリーは自分がみんなに利用されていることを知りながらも、その人生から抜け出せませんでした。
彼は自らの意思で行動することができなかったからです。
そんな彼が「フラタニティ」の一員となりこれが自分の人生だと自信を持ちますが、それもまた利用されていたのです。
ウェスリーの父親クロスを殺すために、スローンが全て仕組んだことだったのです。
全ての真実を知ったウェスリー。
この時初めて彼は自分の意思でスローンと戦うことを決めます。
亡くなった父親は「自分とは違う普通の人生を送って欲しい」とウェスリーに望んでいましたが、利用され続けたウェスリーが初めて行動を起こしました。
そしてスローンの元に乗り込んだウェスリーは、まんまと彼を罠にはめてスローンを倒します。
スローンでも、フラタニティでも、父親でも、彼女や恋人や上司でもない、自分が決めた行動。
この時ウェスリーはやっと自分の人生を取り戻したのです。
誰かに利用される人生ではなく、自分で決断する自分の人生。
スローンは様々な経験をしたことで、やっと本当の自分を見つけることができたのでした。
まとめ
利用されてばかりの男が自分の人生を取り戻す映画『ウォンテッド』。
人生の負のサイクルから抜け出せなかった男が、苦しみもがき傷つき痛い思いをすることでやっと自分を見つけることができました。
そんなウェスリーからの「最近どんなことした?」と言う問いかけ。
それは自分の人生を生きろと言うメッセージでもありました。