映画『ファースト・マン』で学ぶ月面着陸までのアメリカの宇宙計画の歴史


人類初の月面着陸を行なったニール・アームストロング。彼が月面着陸を行うまでのアメリカの宇宙計画の歴史に触れることができるのが『ファースト・マン』です。この映画を通してジェミニ計画から月面着陸までの歴史を振り返っていきたいと思います。

『ファースト・マン』作品情報


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タイトル ファースト・マン(First Man)
監督 デイミアン・チャゼル
公開 2019年2月8日
製作国 アメリカ
時間 2時間21分

Rotten Tomatoes

あらすじ

1961年、空軍でテストパイロットを務めるニール・アームストロングだったが、幼い娘を病で亡くす。

寡黙な彼は、悲しみに暮れる妻ジャネットの前でも感情を表に出すことはなかった。

しかし悲しみから逃れるべくNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募し、みごと採用される。

それは、宇宙開発競争でソ連に後れをとっていたアメリカが、人類未踏の月を目指すために欠かせない技術を確立するための計画だった。

宇宙飛行士たちに課されるいくつもの過酷な訓練をこなしていく中で、エリオット・シーやエド・ホワイトら飛行士仲間との間に確かな絆が結ばれていくニールだったが…。

(出典:https://www.firstman.jp/intro.html)

アカデミー賞受賞
視覚効果賞

ニール・アームストロング

『ファースト・マン』の冒頭はアームストロングがテストパイロット時代から始まります。

テストパイロットだったアームストロングは、エドワーズ空軍基地でX-15のテスト飛行を行なっていました。


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この実験の終了後、彼に「飛行禁止」を言い渡したのはチャック・イェーガーで、彼はこのエドワーズ空軍基地で初めて音速を超えた人物となった人です。

チャック・イェーガーとジェミニ計画の前のマーキュリー計画は映画『ライトスタッフ』で描かれています。


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飛行禁止を言い渡されたアームストロングは、NASAで募集されていたジェミニ計画の宇宙飛行士に興味をもち、選考試験を受けそして宇宙飛行士に選ばれました。

そこから彼の宇宙飛行士としての歴史が始まったのです。

ジェミニ計画

マーキュリー計画の後アメリカの宇宙計画はジェミニ計画に移行します。
二人乗りの宇宙ロケットで、宇宙遊泳を行い、さらに宇宙空間で2機がドッキング可能だということを実証する計画です。

これに成功すれば月を目指すアポロ計画に移行して行くのです。

『ファースト・マン』でジェミニ計画をアームストロング達に説明していたディーク・スレイトン
彼はマーキュリー計画に選ばれた宇宙飛行士の1人で『ライトスタッフ』でも描かれていましたし、また『アポロ13』にも登場する人物です。


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1965年6月3日に打ち上げられたジェミニ4号では、アメリカ人発の宇宙遊泳が行われました。
アメリカは世界初を狙っていましたが残念ながらソ連に先を越されてしまいます。
しかしエド・ホワイトはアメリカで初めて宇宙遊泳を行った人物になりました。

アームストロングはジェミニ8号の船長となります。
彼が任されたのは宇宙で初めて2機のドッキングを行うことでした。
ドッキングは成功しアームストロングもNASAも喜びますが、その後トラブルが発生します。

姿勢制御装置に異常が生じ、宇宙船は姿勢を制御できなくなってしまいます。
そしてジェミニ8号に乗っていたアームストロングとデイヴ・スコットは1秒間に1回転する状態に陥ってしまったのです。
アメリカ宇宙計画史上初の宇宙空間での人命を危険にさらす事故でしたが、アームストロングの冷静な対応で2人は無事に地球に戻ることができました。

ジェミニ計画はジェミニ12号まで行われ、その後アポロ計画に移っていきました。

アポロ計画

アポロ計画に移行したアメリカの宇宙計画。
この計画の目的は月面着陸です

アポロ1号に乗るクルーは初の宇宙遊泳を行ったエド・ホワイトとロジャー・チャフィー。
船長はマーキュリー7の1人で2番目に宇宙飛行を経験したガス・グリソムです。
彼もまた『ライトスタッフ』に登場しています。
しかし最終テストでハッチの中で火災が起きてしまい、3人は亡くなってしまいました。

この頃から税金の無駄遣いなどで宇宙計画反対運動が起こり始めていました。

しかしアームストロングはアポロ11号の船長となり、初の月面着陸を目指します。
1969年7月20日アームストロング船長は、人類初の月面着陸を成し遂げました。

月着陸船の操縦士エドウィン・オルドリンとともに月に降り立ちました。
『ファースト・マン』の中では描かれていませんが、この後2人は月面にアメリカの国旗を立てます。

人類の大きな歴史の一歩となったのが月面着陸で、アメリカだけでなく全世界に大きな感動を与える出来事でした。

無事に地球に帰還したアームストロングは、しばらくして宇宙飛行士を引退しその後は大学などで講師を務めました。

学びポイント

『ファースト・マン』では、ニール・アームストロングがいかに真面目で寡黙な人物去ったかを知ることができます。
家族さえ彼の気持ちを読み取ることができませんでしたが、そんな冷静沈着な彼だったからこそ月面着陸に成功できたのかもしれません。

またこの映画ではジェミニ計画からアポロ11号までにNASAの歴史を見ることができます。

月に行くために多くの人が携わり、また多くの人が命を落としてしまいました。
輝かしい歴史の裏には、多くの人の努力と犠牲が伴われていることを知ることのできる映画でもあります。